
楽しく賑やかに暮らしていたある日。
6歳を過ぎたバロン君が、突然ご飯を食べなくなりました。
「そんなはずない!」と信じられず、二日様子を見てしまいましたが、さすがに心配になって病院へ。
そこで言われたのは、衝撃のひと言――
「肝臓の数値が悪く、このままでは三日もたないかもしれません。」
あの瞬間、泣き崩れなかったのが不思議なくらいショックでした。
でも「この子には私しかいない」と奮起。
先生に「治療をしますか? それとも見守りますか?」と聞かれて、迷わず治療を選びました。
それからは一日おきの点滴、血液検査、ステロイド治療。
必死に通いながらも、ふと一ヶ月後に冷静になり、医療費を電卓で計算してみたら――
「え、このままでは破産する?!(笑)」
現実に直面して頭を抱えたのも、今となっては懐かしい思い出です。
そこからは獣医さんと意見を交わしながら、必要な治療を厳選。
本人の強い生命力と治療のおかげで、余命三日と言われた日から、なんと二年半。
その間は生活に支障なく元気に過ごすことができました。

毎日元気にバロンらしく生活してました。
そして2007年8月6日の夜。
バロン君は私の腕の中で眠るように、静かに虹の橋を渡っていきました。
その瞬間、心の底から思いました。
「我が家の子になってくれてありがとう」と。
涙はあふれたけれど、最後までそばにいられたことは何よりの宝物です。
ぬいぐるみのようだった仔犬から、立派な“大きなおじさん”になるまで(笑)、
たくさん笑わせてくれて、本当に幸せでした。

たくさんの幸せをありがとう。
みなさんは、大切な存在との最後の時間を、どんなふうに過ごしたいですか?
ごきげんよう。
グレートピレニーズ バロン
1999年1月21日生 2007年8月6日没
> このお話は「我が家の犬物語」シリーズ第3話です。
次回は二頭目・プリンとの出会いを綴ります。


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