犬物語|ルーク 第1話
あの子と出会った日は、なんでもない一日のはずでした。
いつものようにページを眺めていただけなのに、
ふと目に入った「8月5日生まれ 白い男の子」。
その瞬間、胸の奥がふわっとやわらかくなって、
「この子だ」と思ったのを、今でも覚えています。
バロンを見送ったあと、心にぽっかり空いた場所に、
そっと入り込んでくれた、小さな白い命。
ぬいぐるみみたいにふわふわで、
中身は元気いっぱいで、
だけど、どこか気のいい優しい子。
運命なんて言葉、普段は使わないけれど、
この日だけは、それを信じてよかったと思っています。
白い天使との出会いは、必然でした
大切なバロンを見送って、心の中にぽっかりと穴があいていた頃。
散歩道も、ごはんの時間も、抱きしめる腕も、すべてが空っぽに感じていた時期でした。
そんなある日、ふと目にとまったピレニーズのブリーダーさんのHP。
そこにはひとつの言葉が書かれていました。
「8月5日 白の男の子 生まれました」
その瞬間、胸がきゅっとなりました。
バロンの命日は、8月6日。
あの日からちょうど1年。
偶然じゃない、そう思ったんです。
「この子を家族に」
そう決めるまでに時間はかかりませんでした。

愛媛から飛行機にのってやってきた、ぬいぐるみのような天使
何度もやり取りをして、待ちに待った日。
生後55日をすぎた頃、ルークは愛媛のブリーダーさんのもとから、飛行機に乗って我が家へ。
小さな体、ふわふわの毛、少し眠たそうな瞳。
初めて抱いたときの重さは、今でも忘れられません。
胸の奥に、じんわりとあたたかいものが灯りました。
「おかえり。ようこそ、うちに来てくれてありがとう」
その日から、私たちの新しい日々が始まりました。

そしてもうひとつ、嬉しいことがありました。
先住犬のプリンは、マイペースでツンデレな子でした。
自分が甘えたいときだけそっと近づいてくるタイプで、
誰かに合わせたり、群れの中に飛び込んだりする子ではありませんでした。
そんなプリンが、ルークに対しては、不思議と“拒まなかった”んです。
無理に近づくことも、距離を置きすぎることもなく、
静かに、そっと、同じ空間にいることを許した。
その姿を見たとき、
「この子は、ここへ来るべくして来たんだ」と思いました。
家の空気が、ゆっくりとあたたかさを取り戻していくのを、
日々の中で感じていた記憶があります。
名前は“スターウォーズ”? いいえ、実は…
ルークと名付けたとき、
「スターウォーズ好きなんですか?」とよく聞かれました(笑)
でも実は、チェスの“ルーク(城)”から。
ゆっくりとでいい、どっしりと構えて、
家族を守ってくれるような存在になってほしくて。
そしてルークは…怪獣へと進化した(とても元気という意味で)

ぬいぐるみのようだった天使は、5か月をすぎた頃から
「もしかして中に小さな怪獣が入っているのでは?」という成長を見せはじめました。
まず、「甘噛み」という言葉の定義がまったく違いました。
教科書的に言うと *甘噛み = 軽く歯をあてる* ですが、
ルーク語では *甘噛み = 愛をこめて全力で噛むのだよ!* だったようです。(痛い)
さらにお留守番をさせた日のこと。
帰宅してドアを開けた瞬間、視界に飛び込んできたのは
—— カーテンレールごとのカーテン。
普通、カーテンは「そよぐ」ものですが、
その日、カーテンは「落ちて」いました。
見事な破壊神っぷりです。
でも、怒ろうと思った瞬間、
ルークは「え?なに?褒められる流れ?」みたいな顔でしっぽを振るんです。
……ずるい。本当にずるい。
やんちゃで、パワフルで、
でも憎めなくて、むしろ愛しさが溢れてしまう。
この頃のルークは、
「毎日がイベント」の中心でした。
次回は、ルークが“お兄ちゃん”になる日のお話

やさしくて、おおらかで、
雪みたいにまっしろな心をもったルーク。
そんなルークに、ある日「妹」ができました。
名前はアンジュ。
次回は、
ルークがアンジュと出会い、家族が増えていく物語を綴ります
皆さんにも「運命の出会い」と思えることありますか?
ごきげんよう。


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